xls-hashimotoのExcel学

平成24年度大熊町先行除染等工事
大川原地区南平除染効果シミュレーション結果

環境省は、平成24年度大熊町先行除染等工事として、
大熊町大川原地区南平の除染を計画しています。



「大熊町役場公式ホームページ臨時サイト」と 「ブログ大熊町」に、
中屋敷・大川原地区説明会が行われ、
環境省が大河原地区の除染について説明したことが掲載されています。

除染を実施する地域における詳細モニタリングについて（最終報告）によると、
大川原地区北側、 大川原地区南側の空間線量率は、
1.0μSv/hr<測定値<=3.8μSv/hr～3.8μSv/hr<測定値<=9.5μSv/hr
の範囲にあることがわかります。

除染前の空間線量率を5μSv/hrと仮定し、除染効果の検証を行いました。

「xls-hashimoto式除染低減効果評価法（矩形汚染領域）」の
汚染領域を2,000m×2,000m、単位汚染領域を10m×10m（計算点の10m×10mは、10cm×10cm）にし、
「除染領域（田圃）のほぼ中央（360ﾟ除染）での除染前線量率が5μSv/hrある場合、
除染低減割合を50％・100％とすると、除染後線量率はいくつになるか？」
計算してみました。

大熊町大河原地区除染効果シミュレーション結果（pdf 707KB）

除染低減割合0％で、除染後線量率を5μSv/hrと仮定すると、
除染前汚染密度は194.5573Bq/cm2となりました。

円板汚染領域（半径：600m）では、除染前汚染密度が186.636Bq/cm2となります。

汚染密度の差は単位面積の大きさの違いによるものと思われますが、
シミュレーションには問題無いと考えます。

除染低減割合50％では、除染後線量率2.524615μSv/hrとなります。


除染低減割合100％では、除染後線量率0.049228μSv/hrとなります。


年間1mSvを担保する除染後線量率0.23μSv/hrにするには、除染低減割合96.34862％となります。


除染領域の境界：辺（180ﾟ除染）での計算結果です。
除染低減割合50％では、除染後線量率3.00311μSv/hrとなります。


除染領域の境界：辺（180ﾟ除染）での計算結果です。
除染低減割合100％では、除染後線量率1.006225μSv/hrとなります。


除染領域の境界：角（90ﾟ除染）での計算結果です。
除染低減割合50％では、除染後線量率3.407751μSv/hrとなります。


除染領域の境界：角（90ﾟ除染）での計算結果です。
除染低減割合100％では、除染後線量率1.006225μSv/hrとなります。


xls-hashimoto式除染低減効果評価法（矩形汚染領域）（Excel2003 73,041kB）

基本的なことですが、除染領域を全域（すべて除染）とした場合、
除染後線量率を1桁下げるには、除染低減割合を90％としなければなりません。
除染後線量率を2桁下げるには、除染低減割合を99％としなければなりません。
除染後線量率を3桁下げるには、除染低減割合を99.9％としなければなりません。
目標除染後線量率を達成できない除染方法は、採用してはなりません。
貴重な予算をドブに捨てる様なものです。

平成24年度大熊町先行除染等工事の仕様書の中に、
目標除染後線量率をいくつにするか、見つける事ができませんでした。
目標除染後線量率の無い除染を、清掃と言います。
清掃では、線量率は下がりません。

「きなやん」は、「除染」するなら「理論武装」が必要だと言っています。